ダイハツ タント ウエルカムターンシート
2019年7月にフルモデルチェンジしたタント。福祉車両チームがイチから開発に加わった、今までにない車だ。
最初から福祉車両を想定しながら開発したため、福祉用装備を備える部分には最初から骨格の強度を高めることができた。
▲福祉車両はベース車の完成車を、ある意味「改造」するのが普通。ところがタントでは最初から福祉車両を、ベース車と平行して開発。製造もベース車同様に工場でライン生産される
▲助手席から降りる際にちょうどいい位置にある「ラクスマグリップ」。これを備えるためにAピラーのこの部分の骨格を太くしている。
またシートはあえて30度しか回転しないが、これはモニタリング調査から導き出した角度。
実際に座って試してみると、確かにこの角度は降りやすい。むしろこれより回転すると、グリップを含め、車のあらゆる場所をつかみにくくなるため、立ち上がったり座る際に足腰に負担がかかる。
ちなみにウエルカムターンシートには標準で、他のほぼ全車もディーラーで取り付けられるオプションとして用意されている。
さらに、車いすを収納する「パワークレーン」が天井に標準で備わる。これまでは車いすを載せるこの手のアームを備える場合、ラゲージの床が定番だったが、それだとラゲージの床面積が減る。しかし、パワークレーンでは天井からアームをつるすことでラゲージを使いやすくした。
▲天井にある装置からベルトを引き出し、車いすに掛け、スイッチを押せば電動でつり上げてくれる。30kgまで対応。天井のこの部分の骨格の強度を高めたことで実現できた